子宮頸がん検診は、 なぜ必要なのでしょうか?
子宮頸がん検診は、なぜ必要なのでしょうか?
子宮頸がんは、ワクチン接種で予防ができる唯一のがんです。
また検診する事によって,がんになる前の段階の”異形成”で見つけることが出来ます。
この前がん病変である「異形成」は、細胞の変化の程度に応じて、軽度異形成・中等度異形成・高度異形成の3段階に分類されます。
軽度異形成(CIN1)は、時間の長い短いはありますが約90%は自然に治癒します。
最近、オーストラリアでは軽度異形成(CIN1)は、1年後の検診でも良いのではという意見もあります
中等度異形成(CIN2)も最近のデータでは、80%治癒しますので慌てて治療する必要がありません。
高度異形成と上皮内癌(0期癌)をまとめてCIN3 と分類しますが、CIN3 は治療の対象となります。
レーザー治療や子宮頸部の病変部を切除することで子宮を残し妊娠分娩も可能です。
しかし、異形成が進行すると、上皮内癌(初期のがん)→ 微小浸潤がん → 浸潤がんと、段階を経て進行していくことがあります。
特に注意すべきは、癌がミクロのレベルで浸潤を始めた微小浸潤がんであっても、不正出血などの自覚症状が全く現れないという点です。
「体に異常を感じていないから大丈夫」と思っていても、病気が進行している可能性があるのです。
このため、症状が全くない人でも定期的な子宮頸がん検診がとても重要です。
一度でも性交渉の経験があれば、10代の若い世代でも、また閉経後の高齢の方でも、発症のリスクはゼロではありません。
だからこそ、すべての世代の女性が、定期的な検診を受けることが推奨されているのです。
子宮頸がんの原因は何ですか?
子宮頸がんの原因は、**ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)**というウイルスです。性交渉を通じて感染します。
HPVは、特に珍しいウイルスではなく、性交渉が一度でもあれば感染する可能性があります。
HPVには200種類以上の型がありますが、その中でも特に**発がん性が高い“ハイリスク型”**が子宮頸がんの発症に深く関係しています。
感染したとしても、免疫の働きによって自然に排除されるケースがほとんどですが、一部の人ではウイルスが長期間にわたって体内に残り、それが原因でがんへと進行していくことがあります。
このように、子宮頸がんはウイルス感染によって起こることが分かっており、すでにワクチンが開発されているので、HPVワクチンによって感染のリスクを大きく下げることが可能です。すなわち“予防可能ながん”なのです。
しかし、すでに感染していた場合にはワクチン接種しても治療になるわけではありませんので、セクシャルデビュー前にワクチン接種することが理想です。
海外では12歳頃に接種する国が多いです。
我が国でも、最も発がん頻度の高い16,18型に効果がある2価ワクチン(サーバリックス)16,18に加えてコンジローマなどの良性疾患を起こす6,11型にも効果のある4価ワクチン(ガーダシル)の接種を2013年に開始したのですが、誤った報道、因果関係が無いと思われるような有害事象報告を副反応とを混同した事、針を刺したときにまれに発生することがあるCRPS という1次的な痙攣をワクチン接種による副反応として、被害者団体が訴訟を起こしたことなどで、世界中でわが国だけワクチン接種を一時、積極的な接種勧奨が控えられました。
他のワクチンと同程度にまれにある副反応以外に問題がないことが確認され、2022年4月より勧奨が再開され、小さい時に受けられなかった方にもキャッチアップ接種も始まりました。
この約10年間の遅れにより子宮頸がんが微増しただけでなくHPV 感染による前がん病変の著しい増加が見られ、日本の高度の医療水準だからこそ癌にならないうちに治療がされたので何とかしのげたものの、10年の歳月以上に世界に遅れを取る事になりました。
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