婦人科診察ー治療リストー
基礎体温
生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静状態にあるとき(つまり寝ている時)の体温のこと。
- 寝ている間の体温を測るのが理想なので、毎朝起床時(目覚めてすぐ)に計測して記録していきます。
- 婦人体温計を使用し、口腔内(舌下)で体温をはかります。
- 正常な排卵が行われている周期の方の場合、低温期と高温期の2相性になります。
- 低温期が続いていたら無排卵周期の可能性があります。
- 高温期が2週間以上続いていたら妊娠の可能性があります。
鎮痛剤
いわゆる痛み止めのほか、子宮収縮を和らげるお薬(鎮痙剤)も一緒に内服することで子宮の痛みを和らげます。漢方による鎮痛剤もあります。
漢方療法
「気」「血」「水」の巡りにより、それぞれの体質に合った漢方を選びます。
- 内服して30分くらいで効果を実感できる、「すぐ効く漢方」もあれば、数か月内服して効果が実感できる「じんわり効く漢方」もあります。
- 2剤~3剤併用して症状緩和を図る場合もあります。
- また、季節によって、体調によって処方を見直して行く場合もあります。
低用量EP(いわゆるピル)=LEP (Low dose Estrogen Progestin)
エストロゲンとプロゲスチン(黄体ホルモン)の合剤で、排卵を抑制することで子宮内膜が薄くなり、月経血量が減少して月経痛を緩和させます。
近年では連続内服により、月経回数を減らすことも可能となりました。
初めて飲み始めるのは月経中(1~5日以内)、飲み忘れなく毎日内服します。
休薬中(ホルモン剤を飲まない期間)に月経のような出血が起こります。
LEPを開始するまで
- まず詳細な問診、身体測定(身長・体重測定、血圧測定)を行います。
- 種類を決めます(保険適応のあるLEP製剤は3種類あります)。
- 飲み始めるタイミング、服用にあたっての注意事項の説明をします。
次回の外来受診時
まず、来院時は血圧測定、体調を伺います。
副作用が生じている場合、それが我慢できる程度のものか、副作用対策が必要か、重大な合併症に関連しているものかどうかを判断します。
副作用の多くは3か月以内に落ち着く場合がほとんどです。さらに、初めの3か月以内は、血栓症リスクが最も高い時期のため、初めの3シート(3か月分)は1か月ごとに通院していただき、体調を伺いながら処方をしていきます。
また、安全にホルモン療法を継続できるように、当院では定期的に検査を行っていただいております。
LEPを飲めない方(禁忌)
- 50歳以上(40歳以上は慎重投与)
- 喫煙者
- 高血圧
- 糖尿病
- 肝機能が悪い方
- 不正出血のある方(診断されていない場合)
- 産後すぐ、授乳中
- 乳癌の既往
- 血栓性素因のある方
黄体ホルモン療法
LEP製剤が使えない体質の方、LEP製剤では効果がイマイチな場合に使います。
エストロゲンが入っていないため、血栓リスクがとても低くなります。
子宮内膜増殖を抑制することで子宮内膜が薄くなり、月経血量が減少して月経痛を緩和させます。
LEP製剤との飲み方の違いは
- LEP製剤:1日1回(同じ時間帯)、休薬がある(このタイミングで出血がある)
- 黄体ホルモン:1日2回(朝・夕食後)、休薬がない(全く出血しなくなることもある)
黄体ホルモン療法を開始するまで
- まず詳細な問診、身体測定(身長・体重測定、血圧測定)を行います。
- 飲み始めるタイミング、服用にあたっての注意事項の説明をします。
次回の外来受診時
まず、来院時は血圧測定、体調を伺います。
副作用が生じている場合、それが我慢できる程度のものか、副作用対策が必要か、重大な合併症に関連しているものかどうかを判断します。
副作用の多くは3か月以内に落ち着く場合がほとんどです。初めの3か月間は1か月ごとに通院していただき、体調を伺いながら処方をしていきます。
また、安全にホルモン療法を継続できるように、当院では定期的に検査を行っていただいております。
黄体ホルモン療法をできない方(禁忌)
- 診断されていない不正出血がある方
- 妊娠してる方(している可能性のある方)
- 子宮の腫れが重症で、重度な貧血がある場合(出血症状が憎悪する場合があるため) など
子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ)
子宮内で、黄体ホルモンを持続的に放出するシステムを挿入します。
一度挿入すると、5年間ホルモン放出が維持されます。
子宮内膜の増殖を抑えることで子宮内膜が薄くなり、月経血量が減少して月経痛を緩和させます。
ミレーナを挿入するまで
- まず子宮の形を超音波にて確認します。
- 子宮体癌検査とおりもの感染症検査をします。
子宮体癌検査:ミレーナを挿入する場所に悪性腫瘍がないことを確認するため
おりもの検査:ミレーナにより腹膜炎を引き起こすことがあるため、あらかじめ感染していないことを確認します - ミレーナを挿入するのは月経直後から月経10日目以内です
次回の外来受診時
超音波にて子宮内の正しい位置にミレーナが保持されているか確認します。
副作用が生じている場合、それが我慢できる程度のものか、副作用対策が必要か、重大な合併症に関連しているものかどうかを判断します。
ミレーナ挿入後、多くの方に生じる不正出血は、挿入後3か月間が最も多くみられます。
挿入後は1か月後、3か月後、以降順調であれば6か月毎に通院していただき、体調を伺い診察を致します。
黄体ホルモン放出システムを挿入できない方(禁忌)
- 診断のついていない不正出血のある方
- 子宮の形態異常のある方、子宮の腫れが重症な方
- 骨盤腹膜炎をおこしている方
- 重篤な肝機能障害のある方
- 妊娠している方(可能性のある方) など
Gn-RHアナログ療法
脳から卵巣への命令系統を遮断することで、卵巣機能を抑制し、月経を止める治療。
内服薬、注射薬、点鼻薬がある。
初めて投与するのは月経中(1~5日目以内)
飲み薬の場合は毎日同じ時間帯、食前に内服します
注射の場合は下腹部の皮下に注射します
最長で6か月間の治療期間です。
Gn-RHアナログ療法を開始するまで
- まず詳細な問診、身体測定(身長・体重測定、血圧測定)を行います。
- 始めるタイミング、治療にあたっての注意事項の説明をします。
次回の外来受診時
まず、来院時は血圧測定、体調を伺います。
副作用が生じている場合、それが我慢できる程度のものか、副作用対策が必要か、重大な合併症に関連しているものかどうかを判断します。
4週間毎に通院していただき、体調を伺いながら処方(または注射)をしていきます。
Gn-RHアナログ療法をできない方(禁忌)
- 診断されていない不正出血がある方
- 妊娠してる方(している可能性のある方)
カウフマン療法
エストロゲンとプロゲスチンの両方を補充して、周期的に出血を起こす治療法。
3か月から6か月かけて月経のリズム作りをします。
ホルムストローム療法
排卵後に卵巣から分泌されるプロゲスチンを補充して、周期的に出血を起こす治療法。
3か月から6か月かけて月経のリズム作りをします。
HRT(ホルモン補充療法)
更年期障害の原因は「エストロゲンの減少」。
不足しているエストロゲンを補うことで、症状緩和を図ります。
5年以上のHRTは乳癌リスクを上げるため、5年を目処に中止します。
HRTを開始するまで
- まず詳細な問診、身体測定(身長・体重測定、血圧測定)を行います。
- 投与方法を決めます(HRTには、経皮吸収剤(シール、ジェル)、内服薬があります)。
- 飲み始めるタイミング、服用にあたっての注意事項の説明をします。
次回の外来受診時
まず、来院時は血圧測定、体調を伺います。
副作用が生じている場合、それが我慢できる程度のものか、副作用対策が必要か、重大な合併症に関連しているものかどうかを判断します。
治療を開始して数週間以内に症状が改善する方がほとんどです。
初めの3か月以内は、副作用が発現しやすく、血栓症リスクも高い時期のため、初めの3か月間は1か月ごとに通院していただき、体調を伺いながら処方をしていきます。
また、安全にホルモン療法を継続できるように、当院では定期的に検査を行っていただいております。
定期検診:採血検査、子宮癌検診、乳癌検診、骨密度、血管年齢など
HRT施行できない方(禁忌)
- 肝機能が悪い方
- 乳癌の既往
- 子宮癌の既往
- 不正出血のある方(診断されていない場合)
- 妊娠が疑われる場合
- 血栓の既往
- 心筋梗塞など、動脈硬化性病変の既往
- 脳卒中の既往
- 血栓性素因のある方 ほか
プラセンタ療法
哺乳類は、プラセンタ(胎盤)で赤ちゃんとお母さんがつながれています。
赤ちゃんにたっぷり栄養を送る大切な役割を果たすプラセンタには、アミノ酸のほか、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、酵素など、新陳代謝を活発にさせ、細胞活性化させる成分が含まれています。
疲労回復、血流促進、肩こり・関節痛の改善、美肌 などなど、たくさんの効果を期待できる治療です。
当院では、注射で投与するヒト由来のプラセンタ、内服で投与するブタ由来のプラセンタを取り扱っております。
自費診療
- 注射:1本1,650円、2本2,750円(税込)
頻度は週1回~ 患者様の体調に合わせて通っていいただきます - 内服:1シート(10カプセル入) 1,430円(税込)
1日3カプセル~ 患者様の体調に合わせて増減していただきます
エクオール
大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが、腸内細菌の力を借りてエクオールは作られ、エクオールはエストロゲン受容体と結合して、エストロゲン類似作用を示します。
腸内細菌は個人差があり、エクオールを作れない体質の方が日本人女性の場合2人に1人と言われています。エクオールを作れない体質の場合、サプリで補うことでホルモン補充と似た作用を得ることができます。
自分がエクオールを作れる体質か知る検査(ソイチェック)は「尿」で行います。
自費診療
- 120錠 4,400円(税込) (1日4錠)
ソイチェック+Dr.による結果説明 4,950円(税込)
避妊用低用量ピル=OC (Oral Contraceptives)
望まない妊娠を避ける優れた方法の1つです。
妊娠の他にも月経不順、月経痛の改善にも効果があります。
OCを開始するまで
- まず詳細な問診、身体測定(身長・体重測定、血圧測定)を行います。
- 種類を決めます(1相性、3相性)
- 飲み始めるタイミング、服用にあたっての注意事項の説明をします。
次回の外来受診時
まず、来院時は血圧測定、体調を伺います。
副作用が生じている場合、それが我慢できる程度のものか、副作用対策が必要か、重大な合併症に関連しているものかどうかを判断します。
副作用の多くは3か月以内に落ち着く場合がほとんどです。さらに、初めの3か月以内は、血栓症リスクが最も高い時期のため、初めの3シート(3か月分)は1か月ごとに通院していただき、体調を伺いながら処方をしていきます。
また、安全にホルモン療法を継続できるように、当院では定期的に検査を行っていただいております。
OCを飲めない方(禁忌)
- 50歳以上(40歳以上は慎重投与)
- 喫煙者
- 高血圧
- 糖尿病
- 肝機能が悪い方
- 不正出血のある方(診断されていない場合)
- 産後すぐ、授乳中
- 乳癌の既往
- 血栓性素因のある方
自費診療
- 初回指導料 3,300円(税込)
- 再診料 1,375円(税込)
- 1シート 2,200~3,300円(税込)
子宮内避妊具(IUD;Intrauterine device)
当院では銅付加IUD、薬剤付きIUDを取り扱っております。
子宮の中の環境を変えることにより、受精卵が子宮内に着床するのを妨げます。
経膣分娩の経験のある方、3年以上避妊をする予定の方にお勧めです。
IUDを挿入できない方(禁忌)
- 診断のついていない不正出血のある方
- 子宮の形態異常のある方、子宮の腫れが重症な方
- 骨盤腹膜炎をおこしている方
- 妊娠している方(可能性のある方) など
自費診療
- 銅付加IUD 30,000円(挿入時)、16,500円(抜去時) (税込)
- 薬剤付加IUD 80,000円(挿入時)、16,500円(抜去時) (税込)
緊急避妊
避妊に失敗した、避妊をしないで性行為をしてしまったなどの場合に妊娠を予防する最後の避妊法です。
性交後72時間以内に服用。
自費診療
- 7,700円(指導料、薬剤料込み)(税込)
タイミング指導
基礎体温をもとに、排卵期近くに超音波にて卵胞の確認をして、排卵の予測日から妊娠しやすい日をお伝えいたします。
根治術(子宮摘出・卵巣(卵管)摘出)
ただいま準備中です。
子宮筋腫核出術
ただいま準備中です。
卵巣嚢腫摘出術
ただいま準備中です。
付属器切除術
ただいま準備中です。